- 横風に無いも同然バス停の夕方濡れていく屋根の下 (2025/05/02 - )
- 樅の下芝生に踊る白い影薔薇香る北風吹けば揺らぐ (2025/05/01 - 2025/05/02)
- 温む風砂立つ庭へ開いた窓よく通る声雨雲を呼ぶ (2025/04/30 - 2025/05/01)
- 寝坊して遅い朝食に包丁を振ればキャベツの千切りというか十切り (2025/04/29 - 2025/04/30)
- 鍵掛けた? 電気は消した? 用足した? 時計は着けた? 財布は持った? (2025/04/28 - 2025/04/29)
- 夜深く歩く家路包む高く短く鳥の声響かす森 (2025/04/27 - 2025/04/28)
- 暑くなったらこんなことやってられないと渋々掃除する昼下がり (2025/04/26 - 2025/04/27)
- ぴったりねじ穴の位置が揃うのは規格があって気紛れじゃなくて (2025/04/25 - 2025/04/26)
- NPC のキャラが刺さってしまったんだが実装を祈るしかないのだろうか (2025/04/24 - 2025/04/25)
- 薄灰の吊革を掴む黒い袖から出る吊革よりも白い腕 (2025/04/23 - 2025/04/24)
- 目の前に自分のと同じでも壊れてない傘持って立ってる人 (2025/04/22 - 2025/04/23)
- 耳鳴りに顔を上げれば16時洗濯機が止まった静けさと (2025/04/21 - 2025/04/22)
- 単純に綺麗な家が好きだからと言って掃除を済ませるおばけ (2025/04/20 - 2025/04/21)
- 夏日には氷浮かべてレモンティーその舌の先琥珀色の嘘 (2025/04/19 - 2025/04/20)
- 幾分の泡立ちの悪さ伴って髪に膜張るようなシャンプー (2025/04/18 - 2025/04/19)
- 朝霧の渡り廊下の果ての渦懐こく揺れる影の底冷え (2025/04/17 - 2025/04/18)
- 手足のようだったと思えるあの楽器 あの楽器をもう一度奏でたい (2025/04/16 - 2025/04/17)
- そよ風の長閑な木陰遠い影二つ私を不安にさせる (2025/04/15 - 2025/04/16)
- 薄着でもうっすら汗をかく陽気カップラーメンを食べるとき (2025/04/14 - 2025/04/15)
- さあ、この温もりを憶えておきなさい 来る夜風が静かなうちに (2025/04/13 - 2025/04/14)
- 忘れてく そこそこ使うスーパーの新装前の店内のように (2025/04/12 - 2025/04/13)
- 洗濯をした日に限ってなんでか天気が悪いような気がする (2025/04/11 - 2025/04/12)
- 第三宇宙速度の210分の1程の速度で動く (2025/04/10 - 2025/04/11)
- 並び居る人々の合間通し来て手元2文字を照らす夕暮れ (2025/04/09 - 2025/04/10)
- 絶望が欲しいなんてのは言い過ぎ ただ穏当に諦めさせて欲しい (2025/04/08 - 2025/04/09)
- 夢想の畑の作物が原料のバイオマスプラスチックの匙 (2025/04/07 - 2025/04/08)
- 光軸と三脚穴とホットシューが縦一列に揃っていないカメラ (2025/04/06 - 2025/04/07)
- この川の遥か上流に確かにある庭先を想う川渡る時 (2025/04/05 - 2025/04/06)
- 音もなく雨の滴る遠い窓その暗がりを見よ立て眼を開け (2025/04/04 - 2025/04/05)
- 雲が日を隠せば直ぐ寒気拾う感覚器官北向きの天窓 (2025/04/03 - 2025/04/04)
- 自転車と思って避ければ追い風の落ち葉が下る坂の宵 雨 (2025/04/02 - 2025/04/03)
- この家の唯一の暦たるゴミ出しカレンダー替えて年改まる (2025/04/01 - 2025/04/02)
- 目の前を泳ぐ魚も知らなくて足元に咲く花も知らない (2025/03/31 - 2025/04/01)
- 先週の疲れを引きずったままで今週日曜も既に夜 (2025/03/30 - 2025/03/31)
- 自分の「凝り性」には何かルビが付いてるものだろうかと手が止まる (2025/03/29 - 2025/03/30)
- ノイマン型アーキテクチャが好みという設定の登場人物 (2025/03/28 - 2025/03/29)
- ここにこの語を置いてあるという必然性が無いかも そうかもね (2025/03/27 - 2025/03/28)
- 黄のグラス置いた机に嬉々と膝組めば当たって黄の水揺れる (2025/03/26 - 2025/03/27)
- 背中越しに波打つ凪の澄んだ愛憎を湛える海に誘われ (2025/03/25 - 2025/03/26)
- 庭の隅で束なる遠い思い出を灰に変えゆく燐に火灯る (2025/03/24 - 2025/03/25)
- 肩の上を通る日傘とすれ違う 首切られて白昼夢 (2025/03/23 - 2025/03/24)
- 裏口で会う なんとなく煙草吸うのを止めてとは言えないような (2025/03/22 - 2025/03/23)
- ポイントカードの有無を訊くのをやめてくれ てか最初から値引きしてくれ (2025/03/21 - 2025/03/22)
- 少しずつ手中のレバニラ持ち帰り春の夜へ熱を零して歩く (2025/03/18 - 2025/03/21)
- 仄暗い玄関に雨間の光差すよく磨かれたローファー (2025/03/17 - 2025/03/18)
- 廃アパートの柵にかかるビニール傘 夏であるかのような太陽 (2025/03/16 - 2025/03/17)
- 蜘蛛の巣が張られる前は植え込みの間を通って帰るのもいい (2025/03/15 - 2025/03/16)
- 日向から日陰に入れば長靴下をまだ履いていても良いと思える (2025/03/14 - 2025/03/15)
- 純黒の繻子纏う手が奏でている瞼の裏の沈みゆく昼 (2025/03/13 - 2025/03/14)
- まあそうは言ったとしても仕方ないとしても失ったんだよ 悲しくもなる (2025/03/12 - 2025/03/13)
- 明暗のみの霙を受ける等身大の幻を映す夜の水たまり (2025/03/11 - 2025/03/12)
- 隅田川と思って渡っていた川は隅田川ではなく神田川 (2025/03/10 - 2025/03/11)
- あの数多の星追って巡りつく生の果て澄み渡る夜に解き放つ (2025/03/09 - 2025/03/10)
- 小さな木の座卓の上で蟒蛇と下戸を隔てる緑色の瓶 (2025/03/08 - 2025/03/09)
- 50m 先に青信号3歩走ってやめる右手にはコーラ (2025/03/07 - 2025/03/08)
- 遥かに接続の良い臨時列車に乗るべくして600円積む (2025/03/06 - 2025/03/07)
- 何を期待してか腸から流れ出す多分の言い訳少しの本音 (2025/03/05 - 2025/03/06)
- 2人でしてた仕事を今日は1人でやる倍の時間かかるのは恐ろしいことだ (2025/03/04 - 2025/03/05)
- 赤黒く紅葉沈みゆく瞳には淀みの底にリノリウムの床 (2025/03/03 - 2025/03/04)
- 烏が一羽涼しげに重い雲背負い川端荒れた風を吹かせる (2025/03/02 - 2025/03/03)
- 池のほとりで水面に映る街灯の反射が全部自分に向いてた (2025/03/01 - 2025/03/02)
- 戸が開き夜闇の中朧気に浮かぶ柵の先眠る山塊 (2025/02/28 - 2025/03/01)
- 雨知らす白い湿りが降り来て他意秘す笑窪は額に触れて (2025/02/27 - 2025/02/28)
- 雪残る山際を右へ回り込む 小さい川に小さい橋架かる (2025/02/26 - 2025/02/27)
- Shift + Delete でファイルを消すのはちょっと危ないんじゃないのかな (2025/02/25 - 2025/02/26)
- 同質の人間しかいない空間の功罪に少し思いを馳せる (2025/02/24 - 2025/02/25)
- 現金で払込できない時間帯などというものがあるのを知らなかった (2025/02/23 - 2025/02/24)
- 車も人もない丁字路に聞こえるか緑色の目を瞬く音 (2025/02/22 - 2025/02/23)
- 諸々が滑り舞い暫し遠ざかるクリアファイルを下に向ければ (2025/02/21 - 2025/02/22)
- 風呂上り depersonalization 雨の夜やや乾いているか怪しい衣類 (2025/02/20 - 2025/02/21)
- 伝う髪巻き上げて風染め行くは 視界を覆う花びらよ 青 (2025/02/19 - 2025/02/20)
- 満月の頃に身動き取れなくなる程度の質の TODO リスト (2025/02/18 - 2025/02/19)
- 街灯の歌は街灯のある白い街に置いてきた なぁ、今どうしてる (2025/02/17 - 2025/02/18)
- 終ぞ振りきれなかったから空高く攫っていってくれ磁気嵐 (2025/02/16 - 2025/02/17)
- 西日差しピアノに細い影辷る 黒い囁き その撫で肩の (2025/02/15 - 2025/02/16)
- 地球から伸びる支柱にぶら下がる街灯に紛れ込む下弦の月 (2025/02/14 - 2025/02/15)
- 空高く洗濯物を手放して指先に冷たさが風を掴む (2025/02/13 - 2025/02/14)
- インターネットに加えて文脈に接続されてる きみもあたしも (2025/02/12 - 2025/02/13)
- 夜一人遠い閃きパタゴニア星空と雲の下にあるはず (2025/02/11 - 2025/02/12)
- 忘れたい且つ忘れたくないそれを少し忘れたくて蜂蜜をパンに塗る (2025/02/10 - 2025/02/11)
- 煩いブザーは煩くないと意味がないの、そういう類の拙い言い訳 (2025/02/09 - 2025/02/10)
- 爪が良く伸びる食べ物を使った料理あります? ほら、深爪で (2025/02/08 - 2025/02/09)
- 今幸せと言った時のその今の Δt の幅の広さは (2025/02/07- 2025/02/08)
- 二階定数係数斉次常微分方程式が解けなくなってた (2025/02/06 - 2025/02/07)
- いつかの夢は叶ったようだけど 釵と十手くらい似ていて似ていない (2025/02/05 - 2025/02/06)
- 右上の吊り広告が笑ってる ごめん下戸なので酒はやめときます (2025/02/04 - 2025/02/05)
- お試しのハンドクリームを塗られた手で米を研いだものか迷う (2025/02/03 - 2025/02/04)
- 大きくてゴチック体のテロップが 表情がよくわからないのさ (2025/02/02 - 2025/02/03)
- この俺の視野には幾分広すぎる二点透視図法の街角 (2025/02/01 - 2025/02/02)
- 妄想と行動の間のあの溝が埋まったり広がったりする今日は何曜日 (2025/01/31 - 2025/02/01)
- 憶えてね 真っ暗だから 引き蓋を左に引いてノッチが右下 (2025/01/30 - 2025/01/31)
- ぴかぴかの蝶々結びが大きいの靴紐を通し違えているの (2025/01/29 - 2025/01/30)
- 水の上を歩いたことがあるんだよ 朝の冷たい風呂場の床の (2025/01/28 - 2025/01/29)
- フライパンを出さずトースターでウィンナーを焼く程度の横着の積み重ね (2025/01/27 - 2025/01/28)
- 一月を覗く小春の昼下がり風に乗ってバスがやってくる (2025/01/26 - 2025/01/27)
- 後で調べて分かったが「小春」は旧暦10月のことで「小春日和」は晩秋~初冬の天気の良い日を指すので明らかにおかしい。正直雑な修正だが「春に覗かれる睦月の昼下がり」とかかなぁ、と思っていたら 2025/01/26 は旧暦ではまだ師走だった。無学だ……。
- 手放した本を買い戻すのならば捨てた記憶も思い出したいか (2025/01/25 - 2025/01/26)
- 久しぶり迂闊だね ISO100 が ISO400 にした OM-2 から (2025/01/24 - 2025/01/25)
- 現像の記録を取っているけれど米を炊くのは適当な夜 (2025/01/23 - 2025/01/24)