2025年01-03月 写真の話題
2025-04-08
タグ: #camera今年の初めに写真機を使うぞという事にしたので、3か月毎くらいに使った写真機などの記録を作成することにした。 といっても些事まで全部書いていたらきりがないのでそこそこ印象に残った思い出を書く。
武蔵野光機 リトレック SP
入手後1回だけ使って放置していたのを引っ張り出してきた。 中判一眼レフが欲しかったことは覚えているが、何故リトレック SP を選んだのかは最早定かでない。 まあ最初そういう機種の方に興味を持つ質だという自覚はままある……。
いいところ
- レンズ交換がレンズボード方式、かつ、フォーカルプレーンシャッターなので様々なレンズが使える
- 最大撮像サイズが 6x9
- 撮影中にフィルムホルダーを交換できる
微妙なところ
- 後世のカメラにあるような便利な機能がない
- シャッターダイヤルが2軸回転式(さらに高速側は引き上げて回して落とすタイプ)である、クイックリターンミラーでない等
- あまりバシバシ撮る方でないのでそこまで不便には感じていない
- レボルビングできない
- 結構縦位置で撮りたくなる人間だったのでレボルビングがある機種が正直羨ましい
- ストラップで首に掛けた時のバランスが微妙
- ストラップ金具の位置が重心より少し前にあるので上を向きがち
- 蛇腹を出せば少しマシになる
- 三脚に据えて撮るなら大して気にならない
- フィルムホルダ―の巻き取り方向が逆
- そのまま外注の現像に出したことはないが割り増し料金になる場合が多いのではないだろうか
- 自家現像するなら欠点ではない
- (自身が所有する個体は)高速側シャッターがヘタっている
- 低速側はあまりずれていなかったのが幸いか
このカメラを選択したことに幾分後悔気味なのは正直なところ否めない。 この評価をひっくり返すには、レンズシャッター機では使いにくいバレルレンズで好みの写りをするレンズを発見するくらいしかあるまい、と思うがまだ見つかっていない。 また、色々なレンズを試すなら撮影できるコマ数が多い方が有難いし、縦位置用三脚座を使わなくても縦位置撮影になるので、645ホルダがあるといいかもしれない。
ネガティブな点の方を多く書いたが、それでも中判で撮影結果とほぼ同様の像を見ながら撮ろうとしたらこれまでは 4x5 にグラフロックのロールホルダを付けるしかなかったので、一眼レフのスタイルで撮れるのはだいぶ楽でありがたい。 シャッターを切った時の動作音も結構好みで、これを利点と言ったらアレかもだが、引き蓋を入れておけば空シャッター切り放題で少し嬉しい。
Apple QuickTake 150
結構前から本体だけ持っていたが、付属品がないために撮影した写真を読み出すことができず使っていなかった。 そんな中、2023年10月に通信プロトコル解析記事が出たお陰か、gphoto2 でサポートされ、また Java 製のプログラムも出てきている事が分かったので実用を試みた。 シリアル通信ケーブルは持っていなかったので自作した。
高画質モードで一度に16枚撮れる。 個人的には1日持って何処かに出掛けるには丁度良い枚数だと思う。
画質は現代のカメラに比べたら当然写らない方であると思うが、その写らない度合いは割と気に入っていて専ら短歌のページの挿絵(というか挿写真)を撮るのに使っている。 ただし、短歌のページの画像は、そのまま貼ると大きいように感じたので、縦横半分のサイズにしたものである。
この個体はなんだか電源周りの調子が悪く、いずれ分解して内部の調査をしなければならないようである。 電源を入れても入らなかったり、液晶の表示が狂ったり、「Er」と出たりする場合が多々ありで、騙し騙し使っている。
Canon VI-T
距離計の二重像が正常に動かなくなった。 広角専用機になってしまうかもしれない。 つらい。
大判
- 祖母姉妹と後輩の卒業式の撮影に Deardorff と Cambo の 8x10 を使った。
- Cambo 8x10 の蛇腹がヘタっておりパーマセルテープで補修した。蛇腹の厚みが増して畳みづらくなったがなんとか及第点。
- Fujinon W 300/5.6 の Copal 3 の低速ガバナー不調を半分勘で修理して多分直った。
- 値上げ前に買ったリバーサルフィルムが遂に無くなったので買い足す。財布への負荷が厳しい。
- 大体は大きな失敗無く撮れたが、露出倍数のことを忘失しており近接撮影した一部カットが酷いアンダーとなる。
- 昔は巻尺を持ち物表にちゃんと入れていたのに……。
所感など
収集精神が旺盛だった時期はある程度珍しい機種というだけで目が無かった。 リトレック SP の入手にあたってはそういった衝動が強く働いていたと思うが、正直なところ書いたとおり幾分入手したことに後悔気味である。 完全に今更だが、珍しいならば確かに収集の観点からは価値があるであろうものの、それを実用した時に満足が得られるかというと必ずしもそうではない。 収集と実用の間にはある程度溝があるのは分かっていたはずなのだが、改めて収集と実用の満足と機材の魅力のバランスについて考えさせられてしまった。 ただ、このバランスが良いと恐らく値が張る方に作用すると思われるので、あんまり縁がない機種も結構ありそうである。